脳梗塞や脳出血などの脳卒中で後遺症が残ってしまった方のために専門的なリハビリを行っているワンプラスデイサービスですが、皆さん苦労しながらも色々と工夫をされながらお元気に生活されています。
リハビリに精を出していただくのはもちろんなのですが、頑張っている合間に普段の生活の様子が垣間見えるような雑談が頻繁にかわされているのもワンプラスの特徴です。
今日は最近耳にした、ダイエットにまつわるお話をご紹介します。
痩せる努力をしてみよう
ワンプラスの利用者さまは当然中高年が中心です。私を含めたスタッフももはや中高年カテゴリーのど真ん中。あ、最近来てくれているパートのKさんは若いです(笑)
中高年の悩みと言えば、体形の維持がありますよね。私も若かりし頃はスポーツマンで、ジーンズのサイズはウエストではなく太ももに合わせて決めていました。なので、ウエストはゆるゆるでも、脚とお尻がパツンパツンでずり落ちない。ところが今は、すっかり「ウエスト>太もも」になってしまい、ボタンを留めるのにひと苦労することもしばしばです。
ワンプラスの利用者さまもスタッフも、同様に体形の変化を敏感に感じ取っており、ことあるごとに「痩せたいねぇ・・・」などとため息まじりに話をしていました。
しかし皆さんご存知の通りダイエットはひと筋縄では成功しません。忍耐と努力が必要なことは誰でも知っています。だからみんな二の足を踏むんですね。
そんなある日、利用者さまの中から「ダイエットに挑戦する!」と宣言した勇者が現れました(笑)
個人が特定されてしまうと申し訳ないので、その方を〇さまとお呼びすることにします。
〇さまは女性で、左半身にマヒがありながらも家事一切をこなすスーパーレディです。毎朝5時から起きだして、仕事に出かける旦那さまのお弁当を作っているほど。
そんな〇さまが「最近何だか知らないけど、どんどん太って来てるねん!これではまずいから、私ダイエットするわ!」と宣言されました。
〇さまの決意と行動力なら、本当に成功するかもしれないと思い、様子を見させてもらうことにしました。
具体的な行動は?
さて、ダイエット開始宣言の出た〇さま、具体的には何を行ったのでしょうか?
戦法その1 『V字腹筋』・・・ワンプラスでは、促通反復療法を行うにあたってベッドに寝ていただくことが多いのですが、準備のためにベッドに寝転がっていただいた〇さま、おもむろにその場でV字腹筋を始めるではありませんか!それも軽々と回数をこなす姿に一同唖然。〇さまは涼しい顔で「これくらいは出来るで。それよりな、お腹を引っ込めたいねん!」とサラリと言ってのけます。マヒ側の脚を非マヒ側の脚で引っかけて持ち上げながらのパフォーマンスに〇さまの本気度を感じました。
戦法その2 『吹き戻し』・・・続いての作戦は、子供のころに遊んだ「吹き戻し」です。これはダイエットグッズとして売っているらしく、かなり息を吹き込まないと先端が伸びません。息を思い切り吐き出す動作でカロリーを消費しようというのでしょう。なるほど、よく考えています。ただかなりの力が必要なようで、〇さまも最初はご自分の力ではどうにも動きませんでした。スタッフが代わりに見本となり見事「吹き戻し」て〇さまへ。〇さまも成功するようになったのですが、先端が戻るたびに「ぴ~っ」という何とも間抜けな音が出るので笑ってしまい、なかなか集中が続きません。数日後〇さまに「吹き戻し、やってますか?」と聞くと「もう止めたわ」とおっしゃっていました。
押してもだめなら引いてみな
ダイエットは単純に言うと、カロリーを余計に消費するか、カロリーを少なく摂取するか、の二択になると思います。行動派の〇さまは当初「カロリーを消費する」ダイエット(腹筋運動や吹き戻し)に挑戦していましたが、どうも成果が思わしくありません。というわけで、今度はカロリー制限に取り組んでみたようです。
しかし、人間食べることは本能であり、なかなか食欲を抑えることは難しいですよね。ただ、もうカロリーを抑えるしか手段のなくなった〇さまは意を決して頑張り始めました。しかしそこには、大きな壁が立ちはだかっていたようです。。。
食べずにいられるか!
食事をコントロールしたダイエットを開始した〇さまとのある日の会話です。
〇さま「先生、食べるのを控え始めたんだけど、体重が1㎏増えとったんや!なんでか分からんわ!」
私 「いやいや〇さん、食べるのを減らして体重が増えるって、ちょっとあり得ないですよ。何か原因があるのではないですか?」
〇さま「いや、確かに減らしてるんや。まずな、間食は止めたんや。お菓子は食べていない」
私 「なるほど。お菓子は食べてないんですね。そしたら以前よく話題になっていたアイスクリームも止めたんですね??」
〇さま「アイスクリームなぁ・・・。一日に一個だけにした・・・」
〇さまは、近所のスーパーで安売りの日に買い込んで冷蔵庫にストックするほどのアイスクリーム好きです。一日に一個に減らした、って・・・。すでに雲行きが悪くなってきています。
〇さま「それでもな先生、夜ご飯は抜くようにしたんよ」
私 「一日二食生活ですか?効果はあるかもしれませんが、空腹で寝られないでしょう?」
〇さま「いや、おかずは食べるねん」
私 「え?夜ご飯食べてますやん!」
〇さま「いやいや、夜はおかずだけ。白ご飯はほとんど食べなくなったよ」
私 「なるほどね。それだったら少しは効果は出るかもしれませんね」
〇さま「あ、ご飯の代わりにチューハイは飲んでるけどな」
私 「え?お酒毎晩飲んでるんですか?ダイエット中なのに?量はどれくらい?」
〇さま「500ml」
完全に暗雲が垂れ込めてきました。
それでは白ご飯を控えても痩せることは無理なのでは?と問うと、
〇さま「いや、最近はチューハイをライムからレモンに替える努力はしてるんや!糖質ちょっとは下がるやろ?」
せめて500mlを350mlに減らしたとか言っていただきたかったのですが、ライムをレモンに、って・・・。そりゃ体重1㎏増えるわ!
こんな問答を聞いていたスタッフや他の利用者さまは大爆笑です。
ダイエットの道は険しい
脳梗塞や脳卒中で半身マヒなどの後遺症が残ってしまうと、確かに動き回ることに不自由が出て運動量がガクンと減ることはあると思います。
食べることをコントロールして体重を維持できれば良いのですが、これもなかなか難しいものですね。「動けなくなった今、食べることが生きがいなんだ」と言ってはばからない方もいらっしゃいます。
ただ、肥満などの生活習慣病は、脳卒中発症や再発の原因となります。
冗談はさておき、ワンプラスの利用者さまの中には肥満や糖尿病をお持ちの方もいらっしゃいます。
普段から食生活や運動などの情報について利用者さまとやり取りをして、適切なアドバイスをできるようにしないといけません。
〇さま、ダイエットの道は険しいですが、頑張っていきましょう!!
利用者さまの健康管理にも注意を払っている、そんな私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess
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