介護新時代到来??近未来の介護を語る?

デイサービス

 

平成12年(2000年)に発足した日本の介護保険制度。本格的な高齢社会を迎えるにあたり、家族による高齢者介護の負担を社会で分け合いましょう、というコンセプトで発足しました。それからおよそ20年。世界に先駆けた高齢社会の進行に対応すべく、幾度となく制度の見直しを経て今日の介護保険制度があります。
業界に身を置く者として、感じるところはたくさんあるのですが、今日は日本の介護保険制度の大きな問題のひとつを解決するかもしれない話を聞いてきましたので、そのお話をしたいと思います。

持続的な介護保険制度を

日本の人口構成に関して、超高齢社会が世界に例を見ないペースで進行しているのは皆さんご存知だと思います。今までは、高齢者の介護は家族が担うのが当然と思われてきましたが、社会の変化により核家族化が進み、親と別世帯で生活するスタイルが一般化し、介護の担い手を社会に求める流れはいわば自然でした。
そこでスタートした介護保険制度ですが、急激に増加する高齢者数に介護が追い付かなくなりつつあるのが現状です。
大きな問題は大まかに言って二つあり、ひとつは財源の問題。もうひとつは人材の問題です。
消費税が10%に引き上げられ、その増税分は医療福祉の財源に充てるという触れ込みだったにもかかわらず、自己負担額の増加や、我々介護事業者が受け取る介護報酬削減の議論が行われるなど、財源の厳しさは相変わらずです。以前は「介護は儲かる」などと言われ、他業界からの参入も相次ぐなど、介護バブル的な時代もあったようですが、今では経営の継続すらままならない事業所も散見されるなど、なかなか厳しい業界となっています。
もうひとつの人材問題も深刻で、介護業界の求人有効倍率は、全業種の平均の約9倍らしいです。技能実習生と称して海外から若い介護人材が来てくれていますが、現場の感覚では焼け石に水感が強いです。
これらの問題をクリアして、高齢者介護を社会で永続的に支えていくためには様々な知恵と工夫を凝らさないといけない時代に入ってきているんですね。

人不足、身近に

今日は介護を担う人材不足のお話をメインにしたいのですが、私がデイサービスを運営する大阪府の寝屋川市は、大阪の平均的な自治体で、大阪や京都のベッドタウンといった雰囲気で、高齢化率もほぼ全国平均の町です。
寝屋川市内にデイサービスは95軒ほどあるようです。この数字が多いか少ないかはわかりませんが、私も寝屋川市内を送迎などでグルグル回るのですが、どこのデイサービスにも「職員募集」のチラシが貼ってあります。地元の無料求人誌にも介護関連の求人が多く掲載されており、どこも介護の担い手が不足しているんだなぁと実感しています。これから2055年くらいまで増加し続ける高齢者の生活を、どうやって支えていくのだろうか?と思ってしまいます。海外からの技能実習生を採用し始めている事業所の存在もチラホラ聞き出すなど、その危機感は本当に身近に感じています。

通所介護事業所の集まりでも・・・

私は開業当初から、寝屋川市の通所介護事業者が集まる組織に参加させていただいているのですが、雑談の中で運営状況や人材確保について話題になることが多いです。私はまだ開業間もないので、人材難の業界であることはあらかじめ知っていました。というわけで私なりの対策を講じての経営なので、人の問題はあまりありません。ただ労働集約型の業界なだけに、いつ何時この問題が発生するとも限りません。本当に根本的な解決が望まれています。

救世主登場??

そんな業界の問題点を解決すべく、先日の事業者の会議で、こんな提案がありました。

そう、介護ロボットです!
パルロ君という彼、いろんな事が出来るそうです。
体操の指導から、利用者さまの話し相手、レクリエーションの主導など、デイサービスで求められる活動はかなりカバーしてくれるようです。
いま流行のAIを搭載しているようで、人間とのちゃんとした受け答えもしていました。実用性は高いと思いました。
介護動作を補助してくれるロボットや、パルロ君のような人間型のコミュニケーションロボットなど、色々な最先端技術が介護業界に入ってきているのを感じました。参加者からも熱心な質問が飛び、注目度の高さを実感しました。介護人材不足対策の救世主?になる可能性アリと思いました。

ワンプラスにロボット??

さて、介護ロボットの活躍が近未来に予想されるとなると、ワンプラスもいずれ導入?という話になるのですが、実はこの手のお話、脳梗塞・脳出血後遺症に対するリハビリに関しても進みつつあり、川平法(促通反復療法)の開発者である川平先生もメーカと連携し、徐々に促通反復ロボットが出現し始めているんですね。
しかし、微妙な感覚や細かい動きへの対応など、私の実感ではまだまだ熟達したセラピストには及ばないレベルにあると思っています。ただ、量をこなしたい単純運動などの支援はロボットでも出来るのではないかと思います。
人工知能やロボットの進歩が著しい昨今、私の仕事が奪われないよう、精進しようと心に誓いました。
高齢者の介護を社会で支える制度は、日本社会が選んだライフスタイルの産物だと思います。様々にその形態を変化させながらも、継続していけるよう、我々も心しなければならないと思いました。

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