2025年が始まってもう2か月が経過してしまいました。
時間の経過がとても速く感じられます。
長かった冬もそろそろ終わりを告げそうですね。桜の開花予想なども聞かれるようになってきました。
ワンプラスは相変わらず、脳卒中後遺症(片マヒ)の機能回復に特化した促通反復療法をマンツーマンで施すデイサービスとして頑張っております。
介護保険を使ったデイサービスと並行して、自費による出張リハビリも行っております。
今日は、普段あまりお話ししない自費サービスを受けていただいている利用者さまの声をお伝えしたいと思います。
奥さまが促通反復療法を
今回ご紹介するのはMさま(男性/61歳)です。
1年ほど前に脳幹出血を起こして倒れられ入院。回復期病棟を経てご自宅へ戻られました。右半身にマヒが残り、失語症もあります。
ご自分で体を起こすことが困難で、ベッドに寝たきりとなっています。初めてお会いした時は、上肢には比較的動きがあり、手指も含めてブルンストロームのステージでⅢ程度ありました。
下肢は動きが鈍く、ステージⅡ程度でした。
奥さまがご主人さまの回復を目指して色々と調べ、促通反復療法に行き当たり、私のところへ連絡してくださいました。
初めて訪問させていただいた時、今までの経過をお話しされながら涙を流されていた奥さまの姿が今でも印象に残っています。
とにかく一縷の望みを促通反復療法に託されているという印象を受けました。
頑張るのみ!
体験をしていただき、とても良い感触を得られたのか、すぐに週に二回のご利用が決まりました。
動きは鈍いにもかかわらず、ご本人さまはとても熱心に取り組まれ、あっという間に肩や手首、手指に動きが見えるようになり、またほとんど力の入らなかった脚にも動きがみられるようになりました。
ワンプラスでは、少なくとも一人で移動のできるレベルの方がほとんどなので、正直に言ってどれほど回復が望めるのか私自身も不安なところがありましたが、自主トレーニングなどにも熱心に取り組まれ、ベッドに端座位を保持できる時間もはるかに長くなってきました。
回復を強く願っておられた奥さまもご本人さまにも大変喜んでいただいております。特にご本人さまの頑張りには頭が下がります。
川平先生の問題提起
促通反復療法は、当然のことながらマヒ側の手足や体幹をずっと動かすことを要求します。
促通反復療法は運動学習ですから、繰り返すことで残された神経路を強化したり新しい神経路を作ったりします。
ずっと促通反復療法を続けている私からすれば当然のことなのですが、ある日Mさまの奥さまが
『先生、主人がね「こんなにマヒした手足をリハビリで触り続けてくれたことなんか、入院していた病院でも無かったよ」って言ってます』
と伝えてくださいました。
このお話はいみじくも先日新しい書籍を出版された川平和美先生(促通反復療法・川平法の開発者)が強くおっしゃっていたことと強くつながっていると思いました。
川平先生は書籍の中で「日本の脳卒中リハビリの問題点は、その目標が「機能回復」ではなく「ADL」を重視しすぎていることだ」とおっしゃっています。
つまり医療関係者は在宅復帰後の生活の利便性に重きを置いていて、マヒした手足はないがしろにしている、と訴えているのです。
生活の利便性だけ考えれば、動きの良い非マヒ側の手足を上手に動かす練習に時間を割くのが最も効率的だと思います。
ただ、これは患者さまの目線で考えられたものではないと思います。リハビリを中心とした医療関係者にマヒした手足から目を逸らされたら、どれだけ辛いでしょうか。
動かないままの手足を抱えてこれから生活していかなければならない人たちの気持ちに寄り添っているとは到底言えないと思います。
私は、けっしてADLの回復が悪いと言っているのではなく、機能回復とADLの両方を向上させましょうというのが促通反復療法の考え方だと理解しています。
Mさまの率直な感想が、多くの当事者の方の気持ちを代弁しているのではないかと感じました。
さらなる回復を求めて
さて、促通反復療法の効果を目の当たりにしてより一層ヤル気の出ているMさまですが、実は3月現在私の出張リハビリを1か月ほど休止しております。
それはなぜかというと、広島県にある因島医師会病院に促通反復療法によるリハビリ強化入院をされているんです。
60日間も促通反復療法を集中的に受けることが出来る機会など、いわゆる維持期の患者さまにとっては全国的にも珍しいと思っています。
Mさまの入院もあと半分ほどになっています。
帰ってこられてどれほどの変化が出ているのか大変楽しみにしております。
最近、別の方からも自費でも良いので促通反復療法を受けたいというご要望をいただき、新しく出張させていただくことになりました。
ワンプラスの休みの時間帯を使って、出来る範囲(大阪北部・京都南部・奈良北部など)で頑張りたいと思っております。
もし、興味がおありでしたらお問い合わせください。
当事者が抱える辛さや悩みから目を背けずに正面からぶつかっていくセラピストを目指す私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess
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