梅雨に入った途端に晴れた日が続いてすっかり夏の雰囲気のある大阪です。
ワンプラスはそんな中でも元気に頑張っております。
脳卒中後遺症(片マヒ)に悩む利用者さまに、マンツーマンで促通反復療法を提供し、より良い生活の実現のお手伝いをしております。
地道なリハビリの継続で、手や足が動くようになる利用者さまが多くいらっしゃいます。
効果の出るリハビリとご本人さまの意欲がしっかりと合致すると、目を見張るような結果が出ることも十分考えられます。
しかし、従来からの「脳卒中の後遺症は、回復期病院を退院して自宅に戻るともう回復はしない」という観念から抜け出せない医療従事者が大変多く、その言葉に影響されて当事者の希望や可能性を閉じてしまう場面のなんと多いことか。
今日はそんな場面に遭遇したご利用者さまのご家族のお話をしてみたいと思います。
奥さまが脳出血に
今回ご紹介するのはIさま(72歳 女性)です。
Iさまは昨年末に脳出血に見舞われ救急搬送されました。
およそ半年間に及ぶ回復期病院でのリハビリを終え、GW前に施設に入所されました。
Iさまは倒れる前までは大変活動的な方で、毎日のようにジムに通い身体を動かしておられたそうです。
その時の様子を知っているだけに、ご主人さまは現在の様子とのギャップに相当ショックを受けるとともに、何としてでも以前のような元気になIさまに戻ってほしいと願い、図書館やインターネットを駆使して改善の可能性を探られました。
そこで、大阪北部で促通反復療法を提供しているワンプラスを見つけ出し、藁にもすがる思いでご連絡をしてくださいました。
さっそくご訪問
最初にご連絡をいただいてから1週間ほどで、Iさまが入所されている施設へお伺いしました。
初めてIさまを見た印象では、手足の関節の動きはそれほど悪くないが、力強さが無いというのと姿勢を維持するようなバランス感覚が劣っているとの印象でした。
力強さの部分は促通反復療法を繰り返し行って神経路の強化を行えば十分生活に使えるレベルへ持っていけると思いました。
また、姿勢反射障がいと思われる症状についても、効果的な訓練を施せば何とかなるのではないかと思い、そうご家族にお伝えしました。
ご家族からは、回復期病院ではまったく歩けるようなレベルではなかったと伺いました。訓練中の動画を見せていただきましたが、確かにセラピストに抱えられながら無理やり歩かされている印象がありました。
ベッドサイドに座ってもいただいてみましたが、重心が後ろに偏ってしまい手で柵を持っていても倒れてしまうような状態でした。
表情は硬く、発語も乏しく、難渋する事例になってしまうかもしれないと思いつつ、ご家族の促通反復療法にかける強い思いもあり、私の考えるアプローチについて説明し、ご理解を得てご利用が始まりました。
わずか一ヶ月で
そういうわけでIさまのリハビリがスタートしました。動きの良い手足はひと通り促通反復療法で刺激をしっかりと入れます。姿勢に関しても、とにかくベッド端坐位が取れるよう繰り返し訓練を行いました。
すると、私が思うペースをはるかに凌いでIさまの回復が進みはじめるではありませんか。これには私も正直驚きました。
動きの鈍かった足関節もしっかりと動かせるようになり、手指の動きもとても滑らかになりました。
目に見える回復に、ご家族も大変喜んでおられました。
姿勢維持の能力もメキメキ改善し、ベッド端坐位がすぐに取れるようになりました。
ここまでわずか一ヶ月ほど。今まで見たこともないような回復ぶりでした。
歩き始める!
訪問するたびに、懸命に介助されているご主人さまから新しい良い報告をお聞きし、こちらもとても嬉しくなりますます力が入ります。
そんなある日ご主人さまから「先生、そろそろ歩く練習をするのはどうでしょう?」と相談されました。
ベッドサイドに座った状態からしっかり立つことが出来るようになり、また左右の体重移動も安定的にできるようになっていた状態を考え、「訪問リハビリの先生がいらした時に、歩行器を使って歩いてみても良いかもしれませんよ」とアドバイスをしました。
すると次の訪問時にご主人さまが、歩行器を使って歩いているIさまの様子を動画で見せてくださいました。
正直これにも大変驚きました。
回復期病院での歩行練習との比較を見せていただきましたが、これが同一人物か?と思わせるほどの変貌ぶりはにわかに信じられないほどでした。
歩行練習に付き添ったセラピストも「Iさまは回復期病院にいる時から歩けていたんでしょ?」と真顔で尋ねるほどだったそうです。
こんなこともあるんですね。
あきらめなくて良かった
Iさまへの訪問が始まって現在で二か月ほどになりますが、ある日の訪問でご主人さまがしみじみとおっしゃっていました。
「回復期病院では、退院を目前にした時に医師をはじめセラピストから『Iさまは将来的に、これ以上は良くならないと思います』というようなことをさんざん聞かされてきました。でもね、私はどうしても諦められなくて自分でいろいろ調べた結果ワンプラスさんに行き当たったんです。担当の医師から『これ以上は無理です』と言われたら普通は絶望しますよね。一方で『マヒは回復しますよ』とうたうリハビリ法もたくさん目にしまたけど、素人目に見ても怪しいものも多くてね。どれを選んでよいか分からなかったんだけれども、川平先生の促通反復療法なら信頼がおけると思ってワンプラスさんにお願いしたんです。ワンプラスがなかったら私が自分で促通反復療法を習ってやってやろうと思っていたんです」
急性期・回復期で出会う医療従事者は、確かにあまり予後に期待を持たせるような発言は避ける傾向にありますよね。だって将来のことなんて正確に予想できる人なんていないんですから。
私だって現在のIさまの回復ぶりを予想できたかと言われれば、そんなことはありません。
ただ、当事者の回復に対する意欲と効果的なリハビリ法がうまくかみ合えば、良い結果は出るものだと私は考えます。実際に臨床ではこのような予想が難しい現象がたくさん起こっていると思います。
担当医師の言葉は、当事者や家族にとってはとても大きな影響力があると思います。軽率な発言はもってのほかとしても、回復への可能性を閉じてしまうような言動はいかがなものかと感じます。
現在Iさまは腰椎圧迫骨折や発熱などがあり、改善のペースは少々鈍っていますが、表情は明るくなり短期記憶に関しても少し改善の兆しが見え始め(私の名前を初めて正しく呼んでくださいました!)、会話も長い文章が出てくるようになったとのことでした。
これからもご主人さまはじめ熱心なご家族さまを含めた皆さまとのお付き合いが続いていきそうです。
とっても楽しみにしております。
少しでも当事者の方の希望が叶うようなお手伝いがしたい私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess
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