ワンプラス利用者さまの声をご紹介します。Nさま『肩の形が・・・』

利用者の声

ワンプラスデイサービスでは、ご利用いただいている利用者さまに、小さなものから大きなものまで変化が頻繁に現れています。それは、スタッフが気付いたり、ご本人さまがおっしゃったり、ご家族やケアマネジャーさんがおっしゃったり、私が川平法でリハビリしている途中に気づいたり。
正直、変化はいつ起こるか分からないので常に動画などで押さえられるわけではありません。
ただ、たとえ小さな変化でも、ご本人さまに実感いただき、表情がパッと明るくなると、こちらも本当に幸せな気持ちになります。
今日もそんな小さな変化をご紹介します。

地道に取り組んでいれば

ワンプラスのリハビリは、マヒ側の腕や脚をひたすらに動かします。セラピストと利用者さまが、事前に決められた運動をタイミング良く行うことによって、脳にその運動を覚えさせ、いずれセラピストの補助がなくても自分で動かせるようになるわけです。ただし、これは地道な練習が必要で、ひたすらに繰り返すことを続けるための強い意思が必要です。今回ご紹介する利用者さまは、回復に対する意欲の強い、熱意を持った方です。

利用者さまプロフィール

今回は、こんなご利用者さまの声をご紹介します。

名前:Nさま
性別:男性
年齢:79歳
利用:週2回
詳細:脳内出血発症後約4年。右上下肢にマヒが残る。全体に弛緩性のマヒを呈しており、上肢は肘の動きが多少ある程度。肩や手首、指はあまり動きがない。脚は、短下肢装具を装着し杖で歩行している。

リハビリの方針

動きの弱い右手を利用して、自宅内のエレベータのボタンを押したいというご希望があり、下肢のリハビリもしながらも、上肢機能の回復のために時間を割いて取り組むことにしました。

リハビリの取り組み

まずは動きが一番良いと思われる肘関節を中心に屈伸の川平法を重点的に行い、動きが出てきたところを見計らい、今度は肩関節の動きを出すため、肩関節屈曲の促通手技を施しました。その結果、肘や肩、拇指に明らかな変化が現れ、動きが改善しています。ご本人さまの自覚もあり、照れながらも笑顔を見せていただく場面も多く、担当しているこちらとしても大変うれしく思っております。
この方の動きの変化については、後日動画でご紹介も出来ると思います。

ある日、ふとご本人さまが・・・

週に2回のご利用を忠実に守り、都合がつかなくても振替をしっかり入れていただけるなど、セラピストからすると優等生なNさま。川平法を行っている時にふと感じる変化が本当にうれしくて、毎回ワクワクしながらのリハビリです。
そんなある日、いつものように肩関節に屈曲の促通をかけようと準備している時にご本人さまが「先生、最近肩の形が変わってきた気がするんだけどね」とおっしゃいました。具体的に聞いてみると、今までは、マヒした腕の肩関節周辺を触っていると骨と骨の間に段差があると感じていたものが、今ではその段差が無くなり、肩に丸みが出てきたように思う、とのことでした。
これはおそらく、肩関節のアライメントが整ってきて、関節内での骨の位置が正常に近くなってきていることの証明だと考えられます。弛緩性マヒを呈した人の肩関節は腕の自重を弱い筋力で支え切れず亜脱臼を起こしてしまう事が多くあります。上腕骨と肩甲骨の間に出来てしまった空間を段差として感じてしまうわけです。脳卒中の利用者さまを相手にしているとそんな症例には良く出くわすのですが、川平法を施すにつれ、筋肉が引き締まり、正常なアライメントに戻ることも多々あります。Nさまは、おそらくそのような経緯で肩の形の変化を感じられたのだと思います。
腕がだらんと垂れ下がり、動きの弱い腕でも、あきらめずに川平法を続けていれば、関節はゆっくりでも正常位置に戻っていってくれるのだと思います。

まとめ

利用者さまと川平法で一生懸命頑張っていると、ふとした時に変化が現れます。それがいつ、どのような形で出るのかは私にも正直分かりません。ただ、地道な努力で薄皮一枚でも積み重ねていくと、必ずと言ってよいほど良い変化が感じられる時が来ます。
今回ご紹介したNさまも、何度もくじけながらも私やスタッフ、周囲の利用者さま、ご家族等の励ましにより、ずっと頑張っていただいております。脳はやったことしか覚えません。成功体験を重ねることでその運動を自分のものにすることが出来るんですね。徐々にですが変化していっているNさま、今後も二人三脚で回復に向けた道を進んでいきたいと思っています。

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