介護保険で川平法??

管理人日記

更新が滞ってしまい申し訳ございません。
私とワンプラスは元気に稼働しております。
11月も後半を迎え、いよいよ寒くなってきました。
インフルエンザやマイコプラズマ肺炎の流行の恐れがささやかれている今日この頃、皆さん健康にはご注意ください。
私は、相変わらず仕事と川平法の技能研鑽に努めております。
そんな忙しい毎日を過ごしている時に、ワンプラスのご利用者さまからこんな話を聞きました。

脳卒中後遺症の痙縮対策にボトックス治療

脳卒中後遺症で半身がマヒしてしまい、日常生活に支障をきたすことは皆さんご存知だと思います。
腕や脚が思うように動かないことはとても不自由で大変なことなのですが、それに加え筋肉が過緊張を起こして関節運動を阻害してしまう「痙縮」という状態も大変厄介なのです。
詳しい説明は割愛しますが、痙縮は、上位運動ニューロンが損傷されることにより、脊髄の反射回路の興奮性に対する抑制が利かなくなり発生するとされています。
これは私が行う川平法でもかなり厄介でして、痙縮の強い利用者さまのリハビリには難渋することが多いです。
振動刺激や電気刺激などを加え、筋肉や神経の興奮をコントロールしながらの施術にはなるのですが、その調整がとても難しくなってしまいます。
その厄介な痙縮の対策として、ボツリヌス菌から取り出したA型ボツリヌストキシンを筋肉に注射することによりアセチルコリンの放出を抑制して筋肉を弛緩させるという治療法が行われています。
このボトックス治療法はかなり浸透していて、ワンプラスのご利用者さまで痙性の強い方数名が定期的に受けていらっしゃいます。
実際にその効果はなかなかのもので、私がリハビリを行う上でとても助けとなっています。

ボトックス治療で入院

そんなワンプラスのご利用者さまで、定期的にボトックス治療を受けられているNさまという方がいらっしゃいます。
Nさまは右半身にマヒがあり、脚の機能は高くどこまでも杖なしで歩けてしまうアスリート(?)なのですが、上肢特に手指の動きが鈍く握りこみが目立ち、前腕屈筋群に痙性がある方です。
手指の機能回復を強く望まれており、毎回時間を割いて川平法を施すのですが、やはり痙性が邪魔をしてなかなか進捗が望めない状態が続いていました。
そんなNさまに以前ボトックス治療について説明をしました。そして脳神経内科である主治医の先生からの助言もあり、大阪市内の病院に入院しボトックス注射とリハビリを受けるというルーチンをここ1年以上繰り返しておられます。
毎回2週間ほどの入院となりますが、退院直後は関節も柔らかく私の手技がとてもやりやすく感じます。まだ明確な関節運動の確認は出来ていませんが、継続して努力することで手指が再び動き出すのではないか、と希望を持っています。
いまこの記事を書いている11月23日現在、Nさまはちょうどボトックス入院中です。月末には退院予定です。今回は多めに手指に注射をしてもらってもっと柔らかくして戻ってきます、とおっしゃっておられました。

入院中のエピソード

さてそのNさま、数回にわたりボトックス入院を繰り返している間に、楽しいエピソードをいつも披露してくれるんです。人見知りをほとんどせず、どんな人ともすぐに打ち解ける性格のNさまは、2週間の入院中にすぐ友達を作ってしまわれます。
前回の入院時も、すぐに仲良くなったボトックス入院友達(?)と励まし合いながらリハビリに精を出されていたそうです。
そんな入院中のある日、あるお友達とリハビリについて話し合われたそうです。
そのお友達は後遺症のリハビリに熱心で、特に川平法をどうしても受けたくて当時入院リハビリを受け付けていた鹿児島・霧島リハビリテーション病院にも行かれたし、東京で自費リハビリ施設を作られた川平先生を追いかけて渋谷まで通われるほどの熱の入れようだったそうです。
そんな話を聞かされたNさまは、ワンプラスでのリハビリについて説明したようです。
「私、地元のデイサービスで介護保険を使って週3回、川平法のマンツーマンリハビリを受けてますねん」と。
するとそのお友達は大変驚いた様子で、
え?介護保険で川平法?? 川平法は自費で受けるものでしょう!!」とおっしゃったそうです。
費用の1割の負担でしっかりと川平法の施術が受けられる恵まれた環境をとても羨ましがっておられたそうです。

ワンプラスは稀有な存在です

はい、Nさま、そのエピソード、しっかり胸に刻んでくださいね!
私はワンプラスをオープンさせて6年以上になりますが、介護保険サービスを使って川平法をじっくり受けられる施設は大阪府下でもわずか1~2軒しか知りません。
ちなみに奈良県ではYouTubeなどで熱心に取り組まれているI先生が有名ですね。
川平法に対する需要はかなり多いことを感じていますが、公的な医療保険や特に介護保険を使ってリハビリを受けられる体制が整っているとは言い難いの現状です。
どうしても川平法を受けたいと言われる方は、自費で行ってくれるセラピストを自分で探すというのが一般的です。
脳卒中後遺症のリハビリ手段としてはかなり効果を出すことが出来る川平法ではありますが、熟練したセラピストを養成するシステムが整っていないからか全国に浸透しているとは言い難い状態です。
私が後進の指導のお手伝いをさせてもらっている京都促通反復療法研究会も、基本的にはボランティアです。
川平法の手技に精通したセラピストが手弁当で休日に集まっているというレベルです。
それでも京都研究会はほぼ毎月講習会を開いており、活発に動いている組織だと思っています。
私もそんなに若くはないので、体力が続く限り川平法の良さを伝え続けていきたいとは思っていますが、いつまで体がもつか・・・(笑)
明日も、ワンプラスに通いたくても制度上通えない方のために自費で出張リハビリが複数件あり出動予定です。
日曜日ですが、頑張ってきます!
Nさま、早く帰ってきてください!また一緒に川平法っ!!

ワンプラスに通ってくださっているご利用者さまに、ワンプラスの希少価値を理解してほしいと心の中で密かに思っている私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess

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