コロナ禍に思う

管理人日記

今年の3月くらいから、新型コロナウィルスが身近に感じられるようになってきました。
それまでは中国をはじめとする外国の話であるとか、港に停泊する客船の話であるとか、そんなイメージでした。
それが、あれよあれよという間に都市部を中心とした日本に広がり、日常生活に大きな影響が出ました。
私たちが従事する介護業界は、その影響を大きく受けた業界といってよいと思います。
4月8日から緊急事態宣言が発令され、移動や職業の制限が大きく課せられました。
我々の業界は、社会生活を営む上で必要不可欠だということで休業要請までは出ませんでしたが、外出をためらう自粛ムードは市中を覆い、デイサービスを中心とした通所サービスは軒並み利用が減りました。
ワンプラスでも、さすがに緊急事態宣言以降、利用をお休みされる方が出てこられ、「これは本当に大変なことになってきたな」と感じられました。
ご本人さまやご家族さまの意向でお休みをされる方、施設(老人ホーム)などに入居されている方は施設の意向でお休みされる、などといった様子でした。
実際ワンプラスでも5月に10日間ばかりの自主休業をしました。とても無事に運営を行うことが無理なのではないかという考えを持ったためでした。
そんな今まで経験したことのないような事態の中、緊急事態宣言より1か月近くも早くから外出自粛を決めた、ある施設(老人ホーム)がありました。

リスクをだれが負うのか?

まだ何となくコロナが他人事のように感じられていた3月初め、その老人ホームに入居されているワンプラスのご利用者様のケアマネさんから連絡がありました。
「施設の意向で、しばらくワンプラスの利用をお休みさせてください」とのことでした。
あぁ、いよいよこんなことが起こるようになってしまったんだなぁ、と思いながらも、その申し入れを受け入れました。
ただ、そのご利用者さまはリハビリに熱心で、脳卒中による左半身マヒがありながらも、トイレでズボンの上げ下げがご自身でできるようになったり、短下肢装具をだれの助けも必要とせずに装着できるようになるなど、ADLの回復が目に見えて前進していただけに、休止になってしまったことが本当に残念でした。
でもこれは、リハビリを施す側の意見であり、利用を続けていて万が一コロナウィルスに感染してしまったりしたら誰が責任を取るのか?という施設さんの考えとは相容れません。せっかくADLが回復してきているのを、振り出しに戻してしまう可能性が高いことに正直悔しさはありましたが、人命優先の判断と言われれば従わざるを得ませんでした。

待てど暮らせど帰ってこない

その利用者さまがお休みされたのが3月初めです。4月5月と緊急事態宣言が出ていた間は、ご利用復帰などはこちらも考えてはいませんでした。定期的にケアマネさんと連絡を取り合い、ご本人さまの様子を聞くだけの期間が過ぎていきました。
そして緊急事態宣言が晴れて解除になった6月に入り、意気揚々と連絡をしてみると「まだリスクがあるので外出は無理です」との返答でした。
6月いっぱいは復帰は無理そうだというニュアンスを受け、ご本人さまの体の状態がとても心配になってきました。
おそらく運動らしきものはしていないだろうし、ご家族の面会も制限されているとしたら、話し相手もあまりいなかったのではないでしょうか。身体機能に加え、認知機能にも支障が出てくる可能性があるのではないかととても心配になりました。
そんな4か月を経て、ようやくケアマネさんから「7月から宜しくお願いします」という連絡を受けました。

帰ってきた!

待ちに待つこと4か月、ようやく先日ご利用が再開されました。
私はもちろん、スタッフも他のご利用者さまも大変喜んでくださり、ご本人さまも目に涙を浮かべての復帰となりました。
幸いにも認知機能は衰えておらず、しっかりとされておりました。また歩行についても、やや不安定感はありましたが、見守りと簡単な補助があれば自立歩行が可能なレベルは維持されていました。リハビリの効果を覚えていてくださり、今後は一生懸命頑張っていただけそうで、心から安心しました。
ただ、体は明らかに細くなっており、体重減少もかなりのものだと思われました。4か月に及ぶ自粛生活の苦労を感じさせました。

何が正解なのか・・・

この4か月間、やきもきした気持ちで利用再開を待っていました。幸いにも以前の様子とあまり変わらない部分も多くあり安心した気持ちが今は強いです。
ただ、あまり自己主張をされないご本人さまはどのような思いで過ごしておられたのでしょうか?そのあたりのお話を聞いても、あまり口を開いてはいただけません。
感染リスクを考慮して、一切の外出を制限した施設の判断が良かったのか?ご本人さまやご家族さまの意向を確認して、希望があれば少しでも早く外出やリハビリを再開する判断はなかったのだろうか?誰も経験したことのない事態に巻き込まれ、何が正解なのか本当にわからない難しい問題に直面したことを実感します。我々受け入れ側も、事業所によって足並みが揃わないことも多々ありました。みんなが混乱していたんですね。
コロナはまだ収束を見せていません。第2波も必ず来ると言われています。
お年寄りを相手に商売をさせていただいている私たちが、真剣に考え、次の問題(第2波)に対処していかねばならないと強く感じました。

そんな私が運営するワンプラスは、川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess

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