皆さま、大変ご無沙汰しております。
記事の更新が滞っておりまして申し訳ございません。
ワンプラスでの仕事がおかげさまで充実してきていることと、プライベートでも少々手を取られることもあり、休日を含め多忙を極絵めておりまして、当サイトの管理がおろそかになっておりました。
反省しております。
久しぶりの投稿として今日は、私が読んでいる本から受けた刺激についてお話してみようかと思っております。
奇跡の脳
最近読んだ本で印象的だったのは、ジル・ボルト・テイラー著『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』という本です。
職業柄、私は脳卒中に関する書籍を手にすることが多いのですが、今回読んだ本は脳科学者であるアメリカ人が自分で脳卒中に罹り、発症から復活するまでの記憶をたどりどのような経過をたどってきたのかを詳細に記したとても珍しい内容でした。
ご自分が脳と神経の研究に携わっておられ、脳卒中を含め様々な病気やケガの研究をされていた矢先にご本人が脳出血を経験されます。
研究対象としてきた患者に自身がなってしまうというとても稀有な経験をされています。
まだ半分ほどしか読了していないのですが、発症までの半生や突然病に襲われたときの状況、救急搬送され病院へ入院するところなど、ご本人の記憶を基に記されていると思うのですが、その描写が科学者の視点であるところが大変興味深く感じられました。
自分の病気でありながら、どこか自身の研究対象であることを客観的に冷静に分析して見せるところがとても新鮮でした。
そんな文章を追っていくうちに、とても印象深い一節に突き当たりました。
お母さまの献身
ジルさんは救急搬送されて検査を受け、今後の治療方針を決める一方、容態が安定してきたため自宅へ戻ります。
そこで、お母さまが生活全般に面倒を見られます。自分の娘の変わり果てた姿にショックを受けながらも、さながら幼児に戻ってしまった娘を慈しみ、温かい愛で包んで献身的に援助を行います。
ジルさんもその愛情に感謝しつつ懸命に『復活』に向けて努力されます。発症後数日で自分のできることを少しずつ増やす努力を継続されます。
リハビリに割けるエネルギーも少なく、すぐにベッドに横になってしまいますが、それでも諦めません。その大変な努力は想像に難くありません。
そんな二人が二人三脚で少しずつ前に進む物語は、私にとってすでに感動的ですらありました。
感銘を受けた一節
さて、私が読み進めているのが実はまだここまでなのです。この後おそらく手術、懸命なリハビリ、そして復活までのストーリーが待っていると思います。
まだ発症間もない状況で、この後何が待っているか分からないジル親子は互いに信頼で結びつき励まし合っていました。
お母さまは、そんな頑張り屋のジルさんの毎日の変化を逃さず本人に伝えます。昨日まで出来なかったこと、今日新しく出来るようになったことを、細かく本人に説明し、次に何をすべきかを明確に伝えていったそうです。
左脳が傷を負い記憶を整理することが困難なジルさんの状況を理解し、丁寧にフォローしていったのです。
そのお母さまの献身がどれだけジルさんを勇気づけたか。ジルさん本人も大変感謝されています。次に何をすれば進歩するのか、直近の目標が明確になりリハビリに対する意欲を高く持ち続けられたのだと思います。
そんなところでジルさんは、こんな一節を記しています。
『脳卒中で一命をとりとめた方の多くが、自分はもう回復できないと嘆いています。でも本当は、彼らが成し遂げている小さな成功に、誰も注意を払わないから回復できないのだと、私は常日頃考えています』
これはとても示唆に富んだ一節だと思います。
彼らが成し遂げた小さな成功に誰も注意を払わないから進歩していることに気づかない。深い言葉だと思います。
ワンプラスでも、私たちやご本人さまが気づかないレベルでマヒが回復している例があるのかもしれません。
また逆に、進歩に気づいて指摘してあげても、それをお世辞や嘘と思いご本人さまが認めない例もあるように思います。
ご本人さまのモチベーションを高く維持することが回復の近道であるとするならば、私自身のアンテナの感度を上げ、情報を的確にご利用者さまへ伝えるテクニックを磨くことも大変重要であることを改めて認識しました。
この本を最後まで読んでいないので、この一節だけでなくもっと感銘を受ける部分があるかもしれませんが、とにかく自分の胸にグッとくる文章であったので、思わず紹介してみました。
これから後半を楽しみたいと思います。
ご利用者さまの些細な変化も逃さずモチベーションにつなげていくことを固く誓った私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
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