『川平法を自分たちで』の患者会に参加して来ました

リハビリ勉強会

2月2日(日)、脳梗塞や脳出血などの後遺症で悩まれている当事者の方、ご家族向けの川平法(促通反復療法)勉強会『川平法を自分たちで』の京都教室の患者会に参加して来ました。
脳卒中当事者の方やご家族にとっては、生活を送る上で後遺症の程度により大きな影響を受けます。切実な問題となっています。
そのやっかいな後遺症を、医療や介護の制度を使いながらも、自分たちで何とかしようと活動をされているグループがあります。
それが『川平法を自分たちで』という組織です。活動を始められておそらく10年近いのではないでしょうか?
中心となられている方たちや参加されている方たちの情熱には頭が下がります。
彼らの情熱に応えるため、我々も真剣です。
毎回楽しくも熱のこもった勉強会となります。

川平法を自分たちで とは

川平法は、熟達したセラピストとマンツーマンで行うのが基本です。セラピストは相手の様子をつぶさに観察しながら、出来るだけ運動しやすい状態に持っていけるよう様々なテクニックを駆使して、運動の再現を目指します。
しかし川平先生は、自分一人でも、もしくはご家族の支援を受けて実行が可能な川平法のテクニックを書籍で数冊にわたって著されています。
川平先生は、量をこなせばそれだけ効果が望める、という川平法の考え方がベースにあるだけに、制約のあるセラピストとのリハビリだけでなく、もっとたくさん川平法の実践を、と考案されたのだと思います。
そういった背景があり、大阪の有志の方が川平先生に直談判し、セラピストを紹介してもらって家族と当事者で行える川平法の勉強会を立ち上げた、というのが「川平法を自分たちで」のグループの大雑把な成り立ちです(間違っていたらごめんなさい)。
中心となられている方は、脳卒中当事者でありながらそのエネルギーは大変大きく、毎月のように勉強会を開催されています。教室は京都だけでなく、大阪と奈良にもあり、大阪教室は今年中に100回目の勉強会が開催されるとのことです。
私は縁あって、最も歴史の浅い京都教室の運営に当初からお手伝いをさせていただいています。

デイサービスとの違い

今回は9組の当事者および家族さんの参加がありました。すでに複数回の参加がある、おなじみの方も、初めて参加されるご夫婦もいらっしゃいました。
脳卒中当事者と川平法を行うのは、仕事なので慣れているのは当然なのですが、こちらに参加しているといつも、ワンプラスデイサービスとの違いを実感します。
まず、ご家族さんが参加されていること。これは、家族さん向けの教室であることから言えば当然なのですが、家族さんの川平法にかける期待の大きさをいつも感じるんですね。ご本人さまの熱心さも、正直ワンプラスを超えていると思います。参加されている方の年齢層が少々若めなせいもあるのでしょうか?ワンプラスでは少しのんびりした空気が流れています(悪い意味ではないですよ!)。
もう一つは、参加の皆さんのリハビリに対する知識が豊富であること。これにもいつも感心させられます。逆に私たちが勉強になることがあるくらいです。
デイサービスに勤めているだけでは、なかなか入ってこない情報がたくさん入ってきます。この情報がとても貴重なんですね。
いつもワンプラスでの仕事にフィードバックしているんですが、とても助かっています。
リハビリなどの情報については、このブログでも随時ご紹介していこうと思っています。有益な内容、当事者でないと分からないことなど、たくさんお話できると思います。

今日はこんなことをしました

京都教室の内容は基本、前半に準備体操を兼ねた全体での練習、後半は各自やりたいことを、セラピストの助言を受けながら行う、という構成です。
今日は、私が川平法の技を叩き込まれたK先生が音頭を取り、体幹の動かし方の練習を行いました。
体幹の動かし方をマスターすることで、腕や脚の動きにも良い変化が出て、歩行など、生活動作全般への好影響が期待できます。
これには川平法とは関係のない内容も含まれますが理にかなっており、初参加のご夫婦は、すぐに歩行動作に変化が出たことを大変喜んでおられました。
その後は個別に、その方が気になっていること、質問したいことなどをセラピストに相談して練習する、といった内容でした。
私が主に対応させていただいたのは、私と年齢が近いと思われる女性でした。上肢を動かせるようになりたいという事だったので、腕を中心に練習しました。
肘は比較的自由に動くのですが、肩関節と手首、手指に課題が多い方でした。
その方は川平法には慣れていらっしゃって、継続的にセラピストのリハビリを受けていらっしゃっており、私のアドバイスも素直に聞いてくれました。肩関節の動きの改善と、手首の動きに多少変化が出た、くらいでタイムアップとなりましたが、大変感謝していただきました。私も、良い経験をさせていただき感謝でした。
その後は、昼食を兼ねた情報交換会です。実はこの情報交換会がかなり有益で、当事者でないと分からない微妙なニュアンスを赤裸々に報告していただけたり、最新の治療を受けてきた感想なども詳しくお話しいただけたり、興味深い内容が目白押しです。
今回は特に、経頭蓋磁気刺激療法(NEURO)の体験談なども詳しく聞けて、とても参考になりました。ワンプラスデイサービスの皆さん、楽しみに待っていてください。お話しますよ!参考になれば幸いです。このブログでも、またお話します。

まとめ

「川平法を自分たちで」京都教室は、当事者と家族だけでなく、我々セラピストにとっても有意義な集まりです。
運営の負担などがあり、現在は2か月に1回の隔月開催となっていますが、私は万難を排して参加するようにしています。ちなみにセラピストでは私だけが立ち上げから一度も休まない皆勤賞です。ちょっとだけ褒めてもらいました(笑)
運営も指導もほぼボランティアという、本当に熱心な人たちの集まりです。後遺症改善に対する切実な思いや、医療従事者の使命感、自己研鑽への情熱など、様々な思いが詰まっています。ゴールは決して近くはありませんし、どこがゴールなのかも正直定かではありませんが、皆さんの期待に少しでも応えられるよう、これからも参加させていただき、自分を磨いていこうと思っています。
参考:『川平法を自分たちで』webサイトです↓
https://www.kawajibun101.com/

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