ワンプラス利用者さまの声をご紹介します。Aさま『自分で・・・』

利用者の声

ワンプラスデイサービスでは、ご利用いただいている利用者さまに、小さなものから大きなものまで変化が頻繁に現れています。それは、スタッフが気付いたり、ご本人さまがおっしゃったり、ご家族やケアマネジャーさんがおっしゃったり、私が川平法でリハビリしている途中に気づいたり。
正直、変化はいつ起こるか分からないので常に動画などで押さえられるわけではありません。
ただ、たとえ小さな変化でも、ご本人さまに実感いただき、表情がパッと明るくなると、こちらも本当に幸せな気持ちになります。
今日もそんな小さな変化をご紹介します。

感慨深い事例です

今回の事例のご紹介は、私にとって大変な驚きとともに感慨深いものになります。
ご利用者さまのプロフィールは下でご紹介しますが、利用当初は足元もおぼつかなく、お話もボソッとした声で聞き取りづらく、リハビリへの意欲もあまり感じ取ることのできない方でした。
ご家族さまが、脳卒中に倒れられたご本人さまを大変心配し、ご本人さまの意向よりも強くワンプラスのご利用をご希望されていました。
川平法(促通反復療法)は、ご本人さまのヤル気、回復に対する意欲が重要だと私は考えています。
ご家族とご本人さまの熱量の差があるのは良くあることなのですが、ご本人さまの意欲が低いと、思ったような結果が得られることが比較的難しく、ご家族がご満足されない、ということもあり得ます。
でも、一度引き受けたからには絶対に成果を出して見せる、と心に誓ってのご利用でした。

利用者様プロフィール

名前:Aさま
性別:男性
年齢:68歳
利用:週2回
詳細:脳卒中発症後約5年経過。左上下肢にマヒが残っているが、全体的に力の入りづらい弛緩性マヒを呈している。上肢に関しては、肩や肘の自動運動は比較的保たれているが、可動域は狭い。下肢も歩行時には杖と装具に頼った感じで、腰のあたりを把持した介助が必要。更衣や排せつ、入浴など、生活全般に介助が必要となっている。

地道なリハビリを繰り返す

もともと意欲も高くなく、機能回復を諦めかけている印象があり、リハビリには正直難渋しました。ひと通りメニューはこなしていただけはするのですが、感想などを伺ってもリアクションが薄く、私が小さな変化を感じてそれをお伝えしても、信じてもらえなかったり、なかなか進歩のない、厳しいリハビリとなりました。それでもめげずに黙々と、ひたすら黙々と川平法を施しておりました。

小さな変化の積み重ねの結果

あまり意欲的とは言えなかったAさまですが、お休みすることはほとんどなく週に2回のご利用が続きました。そんなある日、ふとAさまがスタッフの介助を受けて歩いている姿を見て、明らかに歩き方が安定してきているのを感じた時がありました。ご本人さまに伝えても信じてもらえなかったのですが、これをきっかけに身体の変化を絶対に感じていただこうと思い、川平法に加え、椅子からの立ち座り(スクワット)のメニューを課しました。このメニューに変えてから脚の安定は徐々に進み、「これ、もしかしたらズボンの上げ下げが自分でできるかも」と思い始め、次には立ったまま膝頭を手のひらで触るメニューも加えてみました。
数か月の試練(?)を経て、とうとうズボンを上げる動作のすべてをスタッフの介添えなく出来るようになりました。さすがにこの時期になると自覚もあったようで、スタッフの話によると、表情が明るくなりだし、明らかに自信めいたものが本人の中に芽生えている、とのことでした。

いざ、実践!の前に

ただし、これらの変化はワンプラスでリハビリを行っている時だけの話で、実生活で行うとなると別の話になります。何度も家でやってみるよう促しましたが、首を縦に振ってはくれませんでした。いきなり家でやってみて出来なかった時のショックが怖かったのでしょうか。
それならば、とワンプラスでトイレに行く際に、スタッフの介助を減らしトイレ動作のほとんどを自分でやってもらうようにしました。何度かスタッフが手助けをする場面もありましたが、とうとうトイレに入ってから出るまで、ご自分で出来るようにまで回復されました。初めてできたときは、介助したスタッフが涙しながらAさまとトイレから出てきました。

普段の生活でやってみた

地道な川平法のリハビリ、スクワット、トイレ練習を重ね、いよいよ自信がついたのか、Aさまは、家で一人でのトイレ動作にトライしたようです。
ある日のご利用時にAさまが唐突に「自分でトレイに行けた」とボソッとおっしゃいました。
Aさまらしい、照れくさそうな、嬉しそうな顔をされていましたが、とうとう目標が達成されたと思うと、感無量でした。セラピスト冥利に尽きるとはこのことですかね。

まとめ

その後のAさまは、すっかり自信がついたのか、以前より積極的にリハビリに取り組んでくれるようになりました。次は何を出来るようになりましょうか?
実は次のプランはすでにスタートしています。
また成果が出たらご報告します。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)に罹ってしまって何年たっても、このように回復する可能性がある限り、私はご利用者さまに寄り添っていきたいと思っています。

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