ワンプラスデイサービスでは、利用者さまに、小さなものから大きなものまで変化が頻繁に現れています。それは、スタッフが気付いたり、ご本人さまがおっしゃったり、ご家族やケアマネジャーさんがおっしゃったり、私が川平法でリハビリしている途中に気づいたり。
正直、変化はいつ起こるか分からないので常に動画などで押さえられるわけではありません。
ただ、たとえ小さな変化でも、ご本人さまに実感いただき、表情がパッと明るくなると、こちらも本当に幸せな気持ちになります。
今日もそんな小さな変化をご紹介します。
今回ご紹介するのは
今回ご紹介するのは、Hさま(69歳 男性)です。
Hさまは週3回ワンプラスをご利用になっています。お休みはほとんどなく、用事があってキャンセルがあっても振替を必ず入れてくださるほどワンプラスでのリハビリに熱心に取り組まれています。
そのおかげかリハビリの効果はてきめんで、今まで考えられなかったようなことが次々と出来るようになってきています。
Hさまの成長の記録に興味がある方は、こちらをどうぞ。
どうです、難しいと言われている手指の回復が目覚ましいですよね。
Hさまの進化のポイント
ご利用開始当初は、手指に動きはあるものの力は弱く、物をつかみ上げる能力はほとんどありませんでした。軽い積み木をつまむのが精いっぱいの状態でした。
マヒした手指を実用的なレベルへ導くには、何が必要だったのでしょうか?
普段私たちは何気なく手を使って生活していますが、その基本的な機能は手を伸ばして物をつかんで、それを体の方へ持って来るという動作です。
つまり、肩関節を屈曲させて腕を前に出し、肘関節を伸展させて手を遠くへ押し出す、手指を伸展・屈曲させて物をつかむ、という動作です。
Hさまもその基本にならい、それぞれの関節の動きの回復にひたすらに努めました。
肘関節の曲げ伸ばしは比較的上手に行えていたので、肩と指の川平法(促通反復療法)を来る日も来る日も飽きずに頑張りました。
日常生活動作で手指に関して言う改善のポイントは、おおざっぱに言うと親指と人差し指です。この二本が動くようになるといわゆる「つまみ動作」が行えるようになります。物がつまめるようになると、実生活で使う場面が出てきます。
Hさまのご希望と実際の回復度合いのバランスを考えながら、この二本を重点的にトレーニングしました。
その結果、先ほどご紹介した動画で見ていただいたように、物をしっかりとつかめるようになり、移動させることが出来るようになり、上着のジッパーを引き上げることが出来るようになっていったのです。
ある日のこと・・・
Hさまとリハビリに励み続け、徐々に変化が出てきて少しずつできることが増えてきていることをお聞きしていたある日、Hさまが唐突に
「先生、両手の爪を自分で切れるようになったよ」とおっしゃいました。
手指の爪を切る動作は、片マヒのある方にとってかなり難しい動作で、皆さん苦労されています。ある方は椅子に座って前かがみになり足を使って切っているというような猛者も。
そんな中、Hさまはマヒした親指と人差し指で爪切りをつまみ、爪を切ることが出来るようになったというのです。深爪してしまうなどちょっと失敗することもあるようですが、自分でできることがひとつずつ増えていくことに大変満足しておられるようでした。
川平先生もおっしゃっていました
とりあえずつまみ動作が出来るようになることで、マヒした手が使えるようになるというのは、奇しくも私が先日参加したオンライン講習会で川平先生もおっしゃっていました。
「手指全てが使えるようになるのが最終目標だとしても、まずは親指と人差し指で物をつかめるようになるのが現実的な最初の目標でしょう」と。
理想の腕や脚の動きを獲得する過程で、現実的な回復の道筋を考えてご本人さまの同意を得て取り組む。この作業の繰り返しがワンプラスでは行われています。
そしてポイントポイントで成果を得て喜びを感じ、次へのモチベーションをつかむ。この好循環をすべての利用者さまと共有することが私の仕事なんですね。
Hさまは現在、歩行の改善にも取り組んでおられます。少しずつ安定した歩行を得つつあります。改善の過程をまたご紹介することが出来ると思います。
いろんな所へお出かけしたいですもんね。Hさま、これからも頑張りましょう!
「先生、こんなことが出来るようになったよ」と笑顔で報告してくださる利用者さまの姿を見ることをエネルギーにしている私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess
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