脳梗塞・脳出血を起こすと疲れやすくなるのか?

脳卒中の研究

ワンプラスをご利用いただいている利用者さまには、9割以上の方に脳梗塞・脳卒中の既往歴があります。
日々不自由な生活を送りながらも、機能改善を目的としてワンプラスでのリハビリに励まれています。
毎日のように皆さんとマンツーマンのリハビリを行っていると、ふと感じることがあります。
それは「皆さん、ちょっと疲れやすいのでは?」ということです。
当初私は、利用者さんが疲れやすいのは、動きにくい腕や脚を無理やり動かそうとして、全力を動員しているからだろう、と思っていました。
しかし、私との川平法(促通反復療法)のリハビリで、かなり楽に体を動かせるようになっても、リハビリ後に「疲れた・・・」とおっしゃる方が多いのを不思議に思っていたものです。
全身の体力向上を目的とした運動の時間もしっかり確保しているし、実際に動きが軽やかになるのを目の当たりにしているにもかかわらず、です。
臨床の現場で感じたことを、勉強会の場などで他のセラピストに聞いたりして確認することもあるのですが、なかなか納得のいく情報を得ることが出来ないこともあります。
そんな時、私は研究者の論文などにあたり、目の前で起こっていることの原因を調べてみたりしています。
今回は、脳卒中患者の「易疲労性(疲れやすさ)」について調べてみました。

こんな論文がありました

脳卒中と疲れやすさをキーワードに研究者の論文を調べてみた結果、こんな論文を発見しました。
原文に興味のある方はこちらからアクセスしてください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25362090/
この研究を要約するとこのようになります。
18-50歳の初めてのTIAまたは虚血性脳卒中を有する511人の脳卒中患者に対する10年近くフォローアップし、疲労について評価を継続的におこないました。
その結果、若年脳卒中患者の41%で疲労がみられ、147名の年齢をマッチさせた対照群(健常者群)と比較すると、脳卒中患者群で疲労を呈している者が有意に多かったそうです。そしてその疲労は、生活機能の低下、IADLの低下、情報処理速度の低下と関連していたそうです。
さらに、疲労のリスクファクターは抑うつ、不安、脳血管障害の再発が有意に挙げられたそうです。

まとめ

なるほど。研究の結果が私の実感を裏付けてくれているのでしょうか。特に、疲労の原因として「抑うつや不安」があるとのこと。
脳卒中は突然発症し、突然体の自由を奪っていきます。当事者の受ける衝撃の大きさは想像に難くありません。精神的な不安定を呈する方がいることもあると思います。
あるケアマネジャーさんが「脳卒中発症前から知っていた利用者さんが、失意のあまり毎日のように泣き暮れていた」というエピソードもお聞きしたこともあります。
利用者さまがリハビリ中に「疲れた~」とおっしゃるのは、決して怠けているわけではなく、病気が原因である側面もあるのですね。
常に正しい知識を持って職務に当たらないと、利用者さまの本当の心情に寄り添うことは難しいのだな、と思いました。

「疲れた~」とおっしゃる利用者さまに、やさしくしなければと思っている私が運営するワンプラスは、川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess

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