ワンプラスデイサービスでは、ご利用いただいている利用者さまに、小さなものから大きなものまで変化が頻繁に現れています。それは、スタッフが気付いたり、ご本人さまがおっしゃったり、ご家族やケアマネジャーさんがおっしゃったり、私が川平法でリハビリしている途中に気づいたり。
正直、変化はいつ起こるか分からないので常に動画などで押さえられるわけではありません。
ただ、たとえ小さな変化でも、ご本人さまに実感いただき、表情がパッと明るくなると、こちらも本当に幸せな気持ちになります。
今日もそんな小さな変化をご紹介します。
楽しく笑いながらリハビリを
ワンプラスの利用者さまは、その障害の程度や回復に対する意欲など、さまざまです。利用の時間がもったいないとばかりに一生懸命リハビリに取り組む方、リハビリの大切さは理解しているが、他の利用者さまやスタッフとのコミュニケーションを楽しみに利用されている方・・・。いろんな目的を持っていらっしゃっております。
お互いの目的を理解し合い、仲良くご利用いただいております。
今回ご紹介する方は、どちらかと言うとコミュニケーションを楽しみに来られている方です。彼女の周りは常に笑いがあり、時にはデイ全体が抱腹絶倒となる場合もあります。
でもね、この方の機能回復もなかなかのものなのです。
利用者さまプロフィール
性別:女性
年齢:83歳
利用:週1回
詳細:脳卒中発症後年以上経過している。左上下肢にマヒが残っているが、比較的機能は保たれている。ただし、日常生活で積極的にマヒ側の腕を使っているとは言い難い。歩行は杖無しでも可能だが、ゆっくりしている。
リハビリの取り組み
上下肢ともに、大きな関節可動域制限はなく、集中して動作を行えば、かなり動かせるレベルではありました。ただ、動きの滑らかさがもうひとつで、丁寧な動きを意識しないと腕が震えてしまったり、動きの軌道がずれてしまって細かい運動の正確性が落ちてしまったり。腕の震えを抑え、動きの正確性を上げることを意識しながら、肩関節の動きの滑らかさや指の動きの正確性を意識するリハビリメニューを組み、取り組みました。
ある日、ケアマネさんが・・・
ある日、Nさまご担当のケアマネジャーさんとお会いする機会がありました。Nさまについていろいろと話をしている時に、ふと「そう言えば、最近Nさま益々元気ですよね~。特に腕を良く使うようになりましたよ。Nさまを担当し始めた頃と比べると、本当に見違えるくらいです」
Nさまがワンプラスをご利用になり、リハビリをするたびに動きに関する感想をお尋ねするのですが、あまり変化はない、という反応ばかりでした。実際に私の感覚としても進歩は感じづらかったが正直なところです。
私は、ケアマネジャーさんの意外なご意見に、面食らいました。後日Nさまにそのことを伝えると「ハハハハ、ケアマネさん、そんなことを言ってたかね」とあっけらかんとおっしゃっていました。
楽しくリハビリした効果?
Nさまは、とにかくエネルギッシュで行動派です。毎日のように用事を作っては外出し、周囲の人を巻き込んで生活を楽しまれております。本当に脳卒中後遺症に悩んでおられるのか?と思うくらいです。
ワンプラスでも、いつも会話を楽しんでおられ、とても賑やかな雰囲気に包まれます。
リハビリの時も、いつも私と冗談を言い合い、笑いながらの川平法です。これで効果が出るのだろうか?などという考えが脳裏をかすめますが、Nさまのモチベーション維持を最優先に考え、楽しい雰囲気を崩さないように気を使ってきました。楽しい気持ちで行ったリハビリが、思いもよらぬ効果を呼び込んだのかもしれません。
まとめ
私は、利用者さまの日常生活まで覗くことはできません。腕や脚の機能がどれほど回復しているのかを知るのは、ワンプラス内での動きの観察やご本人さまのご意見など限られたものしかありません。
日頃の生活を見ているご家族さまやケアマネジャーさんのご意見ご感想がとても貴重なものになることがあるんですね。私が知らないところで変化が出ていることもあるのかもしれません。
確かに「先生(私)が見ていると、動く腕も動かんわ」などと言われてしまう事もよくあるんですよね・・・(笑)
当たり前ですが、リハビリの相手は人間です。精神的に圧迫を与えることなく、リラックスした楽しい雰囲気でワンプラスをご利用いただけるような配慮が機能回復につながることもあるんだなと思わされました。
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