脳梗塞や脳出血などのいわゆる脳卒中にかかると、様々な後遺症が残り、生活に大きな影響を与えます。
特に半身に現れるマヒは、日常生活のさまざま場面で不自由さを感じさせられます。
ワンプラスでリハビリに取り組まれている利用者さまも、程度の差こそあれ、それぞれにマヒを抱え生活に不自由を感じておられます。
ワンプラスで取り組むリハビリは、脳卒中後遺症である片マヒの機能改善に特化した「川平法(促通反復療法)」をメインに据え、日々機能改善に取り組んでおります。
しかしながら、正直に言って、回復への道のりは平たんではありません。
利用者さまの熱意と、私たちの提供するリハビリの質が高くなければ、なかなか成果に結びつかないのが現状です。
しかし一方で、ワンプラスで頑張っておられる利用者さまには、必ずと言ってよいほど良い変化が現れます。
今までいろいろな方法を試してみてもなかなか成果が出ずに諦めかけていた方にも良い効果は出てきます。
それはなぜなのでしょうか?
効率的に行うリハビリだから
脳卒中後遺症の片マヒでは、ほとんどの方が自由に手足を動かすことが出来ません。ここでいう「自由に」というのは「自分の意志通りに」という意味においてです。
「バンザイ」の運動をしたくても、脇は開き肘は曲がり、手首も曲がり、手指も「グー」になってしまう・・・。こんな現象のことを指しています。
これでは、何度「バンザイ」を繰り返したところで、脳は「バンザイ」を学習できません。
そこで川平法は、熟達したセラピストが「バンザイ」をもっともやりやすい姿勢を作り、ご本人さまと息を合わせて、命令と運動が完全に一致するように導く方法で脳に学習を促します。
脳は利口なので、正しい運動が再現されて「あ、思い通りに動いた!」と認識すると、成功体験としてその運動を学習するようになります。
これが正しい回復への近道なんですね。
立ちはだかる難敵
リハビリの理論としては正しくても、現実にはそんなに簡単な話ではありません。機能回復には様々な障壁があるんです。
その一つが、筋肉が固くなり関節が曲がった状態で動きづらくなる「痙縮」と言われるものです。
痙縮は、脊髄から出される「反射」の命令が異常に出てしまっている状態と言われています。
脳に障がいがなければ、その反射は適切に調整されているので、運動するにあたって困ることはありません。
ただ脳卒中になって中枢神経系に問題が発生すると、その反射をコントロールできなくなるわけです。
「痙縮」自体は、発症直後のまったく運動が出来ない状態からの回復の段階ととらえることも出来るのですべて否定すべきではないかもしれません。
でも、手足に思い通りの運動をさせようと思うと、筋肉の固さが大きな障壁になってしまうのです。
「痙縮」をコントロールしよう
川平法では、マヒした手足に正しい運動を再現させるように働きかけます。ということは「痙縮」はかなり邪魔な存在になります。
一般的にはゆっくりとストレッチをかけたりして筋肉を緩めて関節を柔らかくするなどの手法をとることがあります。
私もリハビリにあたって実際にはストレッチをすることもあります。ただ、今日ご紹介する振動刺激は、より効果があり時短にも寄与してくれる強い武器なんです。
筋肉は、振動を与えられるとその受容器からシグナルが送られ、「シナプス前抑制」が働き、運動神経に抑制的な命令が働きます。
かなり専門的になってしまいましたが、要するに振動刺激は痙縮を抑えることについて有効だということなんですね。
振動刺激を与えて痙縮を抑える方法にはいくつかの簡単なコツがあるんですが、これを習得して使えるようになると、リハビリについてはかなり有効なテクニックとなってきます。
自分でもできるよ
振動刺激を与えるための機器としては、家庭用ハンディマッサージャーが手軽に手に入ると思います。数千円程度で購入可能だと思います。
また、使用上の注意を守っていれば非マヒ側の手でマヒ側の緩めたい筋肉に当てることも可能なので、ご自宅で誰の助けも借りずに行うことができます。
この方法で筋肉を緩めたタイミングで、リハビリ(自主練)などを行うと、とても有効だと思っています。
よかったら試してみてください。
まとめ
川平法は、リハビリを上手に行うためのコツが満載です。振動刺激はその一つです。このほかにも様々なテクニックを駆使して、有効なリハビリを提供しています。
機会があればまたご紹介しますが、川平法は本当に奥が深いです。私も日々研鑽に努めなければなりません。
明日から、また頑張ります。
そんな私が運営するワンプラスは大阪府寝屋川市にあり、脳梗塞・脳出血後遺症に対し川平法(促通反復療法)をマンツーマンで行っているデイサービスです。
大阪周辺には、自費で出張リハビリも行っています。
https://oneplusreha.com/addaccess
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